州浜とは浜辺と入り江の姿をあらわした
ものです。
州浜を上から見おろしたような形。すなわち、
周囲に出入りのある形や模様、また、その形を
したものです。
近世では、三つ輪形ともいわれます。
源平盛衰記(14C頃)では、「力士兵衛は射的の
上手にて、百手の矢を以て、的を洲浜形に射
成ければ...」などと使われています。
器は、新作「染付三飛龍 州浜」
「洲浜(すはま)」というお菓子は、ご存知で
しょうか?
浅煎りの大豆粉を砂糖と水飴で練り上げた
お菓子「豆飴」。
それを平安時代からのおめでたい紋様、浜辺の
入り込みを意匠化した州浜形に作ったことから、
「州浜(すはま)」と呼ばれるようになりました。
きなこの香ばしさと砂糖と水飴の甘みの、
素朴な味わいの洲浜は、祝儀の席にふさわしい
お菓子として、京都を中心に、多くの人に
愛されてきたのです。
かつて京都では、洲浜だけを作る専門店が
何軒もあった。最後の一軒、1657年創業の
「御洲浜司 植村義次」の閉店は、2016年。
写真 : すはま「御洲浜司 植村義次」
植村義次では創業以来、棹物の洲浜を一子
相伝で作り続けていた。洲浜とは、文政13年
(1830年)出版の『嬉遊笑覧』において
「すはまは州浜にて其形によりての名なり、
もと飴ちまきなり。麦芽大豆を粉にしてねり、
竹皮に包みたるものなり、又豆飴ともいうなり、
今も大豆粉を飴にて煉り、茶食とするもの是
なり」と記されている。